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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第28章 手綱の獣
「どうやって、呼ぶの?」
「〝今日は、早く寝たい〟って月良が言えば家政夫はさっさと帰るからそれを合図に来てやる。」
少女のもう1つの人格を手懐けるのが自分の計画にも不可欠だ。
「うん・・・そうする。」
「よしよし。じゃあ、またな。」
とくに疑問も持たずに素直に返事をする少女にキスを送ってベッドを降りて階段を上っていく。
「(・・・変な人)。」
出て行く男を見つめながら身体に疼いていた熱は、静まったのでゆっくりと眠りに落ちた。
》 *
人格が落ち着くには、眠りに落ちることだ。そう主から訊いていたので少女が眠ってしまうのを他の家事を熟しながら待ってみる。
ハキハキとする少女は、もう1つの人格だと主張している。しかし本来の性格は、大人しく恥じらいのある少女の方が好きだ。
「さて・・・と。」