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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第29章 終わりのない日々
(「だから、ワタシを・・・・・・」)
「あなたは、誰?私は、月良よ。こんな生活は、嫌い。」
(「本当に?」)
「本当よ。〝愛〟もなにもない・・・行為なんか。」
(「〝愛〟なんか、無意味よ。なくっても出来るわ。」)
「そんなの、いや・・・・・・」
「なにが〝嫌〟なんだ、月良。」
「っ、お兄ちゃん・・・」
「全く・・・お前は、何度躾けてもだめだな。」
ベルトを外しながら近付く。
「っ・・・・・・」
バスタブの中で小さくなるしかない。逃げ場などない。
「言うことを訊くか、無理矢理されるか・・・選ばせてやる。」
「しない。私は、お兄ちゃんとは、しない。」
「はっ?お前、この後に及んでなにを言ってんだ?」
妹の思いがけない、いいや少しだけ予想していた答えに仄暗い感情が沸き上がる。