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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第31章 迫る終わりの罠
優しさと勘違いしている少女が滑稽だった。これだけの仕打ちを受けても〝優しさ〟を見ようとするのが不可思議でならない。
「じゃあ・・・なんですか?」
「そーだな。良巳は、借りが・・・あるからな。」
「〝借り〟?」
「そう。だから、お前を失ったアイツが見物だな・・・って。」
想像するだけで心の渇きが満たされる。
「寄ら、ないで・・・・・・ッ」
男の本性が垣間見える。
「はは。〝怖い〟か?」
「あなたとは・・・行きませんっ。」
「ほー・・・さっきまでは、ホイホイ付いて来そうだったのになぁ。」
少女が後退りして膝を抱えたので反応が楽しい。
「ゆっくり・・・相談でも、しようか。」
少女の足首の鎖を引っ張って引き摺り倒した。
「やぁああっ!!」
「今さらそんな声を上げたって無駄だ。」