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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第31章  迫る終わりの罠
  


「良巳なら会長に呼ばれて早々と出掛けて行ったぞ。奈音は・・・・・・今日は、見てないなぁ。
 つーか奈音は、なんなんだ?」


 ギシッとベッドに座って問い掛ける。


「判り、ません・・・」


 気が付けば家政夫が居た。兄とどんな関係なのかも知らない。なぜ自分を抱くのかさえも・・・。


「そうか。お前は、判らないことだらけだな。さて、月良。」


「はい。」


「ここから出たいか?」


「え・・・・・・?」


 思いもよらない言葉に戸惑う。


「ここから出たなら、協力してやる。」


「あ、の・・・・・・」


 人を殺し兄に罪を着せて自分を買った悪魔のような男がいま、願いを叶えてくれると云う。混乱しかない。


「お前は、どうしたい?」


「あなたは・・・なぜ、私を助けてくれるんですか?」


「別にお前を助けるんじゃない。」


  
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