この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第36章 本当の主・・・?
話しは、確信について触れていく。
「させた覚えは、ありません。彼女は、ある日〝話しがある〟と耳打ちして来たんですよ。それで行ったら事件に巻き込まれたんです。」
「そうですか。あなたは、本当に上手いですね。それに恵見は、嵌められた訳ですね。」
「嵌めただなんて人訊きの悪い。」
「さて、良巳の話しを訊きましょう。月良、1番話しを訊きたいでしょう?」
「はい・・・」
兄の話しを訊きたい。どうして自分にあんな仕打ちをするのかを知りたい。
「判りました。社長が話しをしましたからね。月良・・・これから俺がなにを言おうと全て事実だから受け入れろ。」
「は、い。」
兄の強い瞳に見つめられて素直に返事をした。
「俺と月良は、実の兄妹じゃない。」
そのひと言は、その場に居た者を驚かせるには十分であった。