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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第36章 本当の主・・・?
兄の発言には、迷いはない。
「いったい、〝どう償って〟欲しいんだ。」
静かに訊いていた恵見が口を挟んで来た。その瞬間に空気が変わった。
「本人には、きちんと説明しているし理解しているハズだ。な、月良。」
「っ・・・?!!」
兄の迷いのない答えと瞳の真剣さで自分が受けていた行為全てが〝償い〟なのだと本当の意味で理解して身体が強張った。
「俺の話しは、いいだろう。さぁ、他のメンバーも話しを訊かせてくれ。」
「いいでしょう。次は、汰音。あなたどうですか?」
奥の席に双子で座る片割れに声を掛けた。
「俺は、なんの変哲もない人生だけどな。両親は、誰か知らないしたまたま成績が会長の目に止まって大学も面倒見てもらえたし主治医にまでしてもらった。
まぁ、たいしたことはなにもない。」