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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第36章 本当の主・・・?
「月良に対しては、どう思ってますか?」
「人として欲に負けて手を出したことは、認めるが・・・それ以外に感情はない。お前たちほど執着心は、ないんでな。」
ハッキリと言って話しを長引かせなかった。
「では、奈音は・・・どうでしょう。あなたは、言いたいことがお有りなのでは?」
「有るわ。」
奈音は、静かに強い口調で言った。
「では、話しを訊きましょう。」
「あなたたちは、聖子をなんだと思っていたの。」
「〝聖子<ミナコ>〟・・・ですか?」
「そうよ。あなたたちは、聖子の死をなんとも思っていないのね。」
静かな怒りが広がる。
「君は、誰ですか?ずいぶんと聖子に執着していますね。」
「みんな誤解をしているのよ。聖子は、わがままなお嬢さまだったんじゃないわ。父親がそんな子にさせたのよ。」