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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第36章 本当の主・・・?
「奈音。あなたは、聖子が好きだったんですか?」
椥は、濁しもせずにハッキリと問い掛けた。
「もちろんよ。彼女を愛してたわ・・・利益抜きで。本気で。」
こちらもハッキリと答えた。
「驚いているの?あなたの異母兄妹には、大切にしてくれている人なんか居ないって?
全く。どうしようもない人たちね。
聖子は、本当にかわいそう・・・こんな人たちに欲望で近付かれて殺されてしまうなんて・・・。」
「奈音さん・・・」
次から次へとついて行けない話しが飛び出している。しかし〝優しさ〟と〝想い〟は、本物だと理解できた。
「あなたたちは、聖子をなんだと思っていたの?あの子は、母親が父親に愛されていないことや自分が女として生まれてしまったことをいつも辛いと言っていたわ。
でも優しくしてくれる男性が現れた。そう言っていたのに・・・」