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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第37章 終わりに向けての道程
男を誘導しなくては。
「判った。」
「準備を、してきます。だから・・・」
「ああ、判った。解毒剤を置いておいてやる。」
「ありがとう、ございます。じゃあ、5分経ったら来て下さい。」
兄に薬が渡ることを確認して部屋を壁を伝って出た。逃げ場は、ない。
身体は、兄を助けたいと言う思いだけで動いていた。
》 》
「会長。」
「おお、調べがついたか?」
息子と良巳の監視を命じていた会長の元に秘書がやって来た。最近の動きが怪しいと監視員から連絡が来ていたのだ。
そして息子が休暇を取ったのだ。危険が近付いていることが判っていた。
「別荘に居るようです。」
「そうか。」
「全員を集めているみたいです。」
「全員?」
「椥さま・彼方・恵見・良巳さん・汰音・奈音・月良さまですね。」