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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第38章 狂宴の彼方へ
「そうですか、そこに置いておいて下さい。」
「はい。」
事件から3日後目が覚めると見知らぬ海外の療養所に居た。一緒に送られた執事は、自分より遅く目覚めたのに変わらず世話を焼いてくれている。
「彼方、少し休んだらどうですか。ここでは、せかせかしても無意味ですよ。」
ゆっくりと静養をしない執事に声を掛ける。
「それでは、お言葉に甘えて。」
「そう言えば・・・彼方の話しを訊いていませんでしたね。彼方は、いつから乙女グループに居るのですか?」
たまの機会だ話しを訊いてみることにした。
「私は、椥さまのお母さまにお世話になりました。頭脳を買われて奨学金を頂きまして大学を出ました。しかし会社では、働けず椥さまのお母さまが暮らす別宅で執事として働くこととなりました。」
それは、初めて訊く話しであった。