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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第39章 終わることなき〝宣戦布告〟
扉を開けるとそこには、信じられない光景が広がっていた。
「月良ちゃんっ!!」
男たちが倒れている中に少女の姿が見えて駆け寄った。
「月良ちゃんっ!!」
少女を抱き上げて声を掛ける。まだ身体が温かい。
「すぐに救急車を!」
「判りました。」
一緒に来ていた警備員に指示すると走って別荘を出て行った。
「月良ちゃん・・・なんでこんなっ、せっかく助かったのに。」
自分が1度は、助けて兄と倖せに暮らしていると思っていたのに。その少女が今は、腕の中で生気もなく目を閉じている。
早く運び出さなくては・・・
「月良ちゃん、死んじゃだめだよ。」
少女に声を掛け続けていると遠くからサイレンの音が訊こえてきた。
》 》
両親の記憶は、あまりしっかりと憶えてない。父の記憶が特にない。