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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第39章 終わることなき〝宣戦布告〟
兄の証言によると自分は、父の連れ子のようだ。しかしどうしてか思い出がないに等しいのだ。
母の思い出は、ある。優しく料理上手で温かかった。
その母が義理の母で兄のだけの母だとは・・・信じられない。自分が信じてきたモノは、なんだったのだろうか。
兄に望まれる〝贖罪〟を出来るだろうか。もしも自分が恵見さんの言うとおりの〝悪魔〟だったとしたら・・・
思いだけが募っていく。
《《
「いらっしゃいませ、良巳さん。」
「会長に呼ばれたから来たんだ。」
「中へどうぞ。会長、良巳さんがお越しです。」
会長室前の秘書室に居る人物に声を掛けると取り次ぎをしてくれ部屋に通された。
「明莉くん、退院したばかりのなに呼び出して悪いね。」
「いいえ。こっちも話しをしなくちゃと、思ってましたから。」
軽く言葉を投げ掛けられたので軽く返した。