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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第39章 終わることなき〝宣戦布告〟
「・・・私は、お兄ちゃんに、、、逢えない。」
「月良ちゃん。きっと会長の誤解が解けたら・・・」
「〝誤解〟・・・・・・??」
「会長は、月良ちゃんと良巳さんが〝健全な兄妹関係にない〟って思っているらしくって。だからその誤解が解けたら大丈夫。」
「・・・〝健全な〟。」
青年は、知らないようだが会長は自分と兄の日々を知っているのだと瞬時に理解した。それは、どんな脅迫よりも恐ろしかった。
兄が無事でいるためには、ごねずにこのまま会長の言うとおりに過ごすのが得策だ。
「月良ちゃん。俺も頑張るから、宜しくね。」
「干亜さん・・・」
迷惑を被っているハズの青年が自分を大切にしてくれると宣言してくれることに胸が痛んだ。兄と自分は、会長の言うとおりに〝健全な兄妹関係〟ではないのだから。
兄と再び離れて暮らすことになった。