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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第5章 禁断の果実
「っ、〝良かったか〟?」
「!!?」
「そんなに何度も泣いて煽るな。さすがに疲れた。」
「なっ・・・」
唇を離れた口からは、なんとも理不尽な言葉が出て来た。
「今日は、ここまでだ。鎖を外してやるから大人しくしていろ。」
「はい・・・・・・」
素直に返事をしたが気持ちは、モヤモヤしたままだ。〝うるさい〟と怒鳴ったかと思えば〝素質がある〟とにこにこしてみたり・・・兄の感情が掴めない。
とても遠く感じる。
ワイヤーを解かれ膝と両手が解放されベッドに崩れた。
「汚れたな。」
妹の姿を見て一呼吸つく。
「着替えと換えのシーツを持ってくる。」
「はい。」
「いい子だな。」
「っ!!?」
素直に返事を反射的にしただけで懐かしい〝兄の笑顔〟を向けて頭を撫でてくれたことに心底驚いた。
戸惑っているうちに兄は、部屋を出て行ってしまった。