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空洞
第2章 相田 樹(あいた いつき)
扉は閉めても、音は響く。
夏美の甘美の声に、ベッドが規則的に軋む音…
樹はいつのまにか自分の熱く硬くなった部分を握りしめていた。

夏美は、次の日何事も無かったように帰って行った。
それ以降夏美が来ることもなく、勉強漬けの毎日を過ごした。

正太も特に夏美について話しもしなかった。
でも昨夜のことは、鮮明に記憶に刻まれた。

樹は毎日、夏美の白い肢体を思い出しながら自慰をした。
想像の中で、夏美の相手をしているのは、自分なのだ。

明日帰るという夜だった。
玄関のチャイムが鳴って、扉を開けると立っていたのは夏美だった。

「いっ君、久しぶり!はい、お土産!」
夏美は、小さく手を振って、コンビニの袋を差し出した。
「あ、ありがとうございます…」
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