この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
空洞
第2章 相田 樹(あいた いつき)

ママは社長の肩を叩いて顔を見合わせると、笑い合った。
そして、小さくお辞儀をすると、別の席に向かった。
その笑顔は、何となく夏美を彷彿とさせた。
ーーーーー
ホテルに帰宅して、荷造りを始めた。
片付けが済んで、スマホを手に取ると、花奏に電話を入れた。
明日の帰宅時間や、花奏が出張中どんな風に過ごしていたか、他愛もない会話を交わす。
一週間の出張がやっと終わる。
冷蔵庫から、缶ビールを取り出すとホッと一息ついた。
その時、知らない番号から着信が入った。
「はい…もしもし。」
「あの、相田様の携帯ですか?」
「今夜は、ありがとうございました。クラブサマンサの冬美です。」
「はい、先程はこちらこそお世話になりました。」

