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第1章 永遠に共に

「……」

夜────人っ子ひとりいない病院の中庭。

強い風に桜の木は煽られ、花びらが一気に散っていく。

本を片手に、少年は桜の木の下に立っていた。

「ねぇ……」

少年は木に向かって話しかける。

「この木……もうすぐなくなるんだって」


「新しい病棟作るからって……この木……掘り起こされて、全部、なくなるって……」






「知ってた……？」






『……知ってたよ』

　

桜の木の声が、少年の耳に届く。