この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
金曜日
第16章 私の実家
『あかり、、、あかり、、、』
翔大さんに揺り起こされ、はっと目覚める
『シャワー浴びておいで』
まだ、ボーとする頭をくしゃくしゃと撫でて
リビングに消える翔大さん
重い腰を上げてフラフラとバスルームへ向かい
熱いシャワーで身体も頭もさっぱりさせる
バスローブで身を纏い
リビングに戻るとコーヒーとパンの焼けるいい匂い
『今、11時だから15時までには時間があるけど、食べないとお腹空いただろ?』
テーブルには美味しそうなスクランブルエッグとサラダにトーストとコーヒー
「ごめん、私寝てたね」
『いいよ、俺が襲ったの(笑)』
「もぉー(笑)」
ふたりで笑い、いただきますと手をあわす
『あっ、紅茶が良かった?』
「ううん、コーヒーも好きだよ」
結構お腹が空いていたのか、ふたりともパクパクと完食(笑)
食べ終わり私が食器を洗い片付けていると
『あかりの実家って、どこ?』
「あっ、えっと、八城?」
『八城?って、なんで疑問形(笑)』
ぶはははっ、と派手に笑われた
自分でもなんでなのかわからず、釣られて笑う
『なら、20分くらいだな』
あっ、行く時間を気にしてたのか
もうすぐ12時だから余裕じゃん
「ねぇ、なに着ていこう?」
『それ、俺のセリフー(笑)』
また、笑ってる
なんか、こうやってふたりでいるのもいいなー
なんて、少し一緒にいたい気持ちになる
でも、私は実家に戻されると思う
じぃじが寂しいんだとママが言ってた
ひとり娘だし、会社のこと思うと婿養子取らなきゃならないんだと思う
だから、翔大さんを紹介しても許されるわけないんだ
私にも好きな人がいる
そう、それだけをわかって貰えばいい
今日、翔大さんを私の好きな人だって紹介して
そこからはもうどうにもならなくてもいいや
今だけ、今日だけ、翔大さんを信じて
私の大切な家族に私の大好きな人を紹介する
翔大さんを好きなことを
翔大さんが大好きなことを
わかって貰えばいい