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金曜日
第16章 私の実家






「翔大さん、父はまだ会社だって、もうすぐ戻ってくるって言ってるけど」


『あ、あぁ、大丈夫、』



「やだ、緊張してる?」



『そりゃするさ、あんな綺麗な方があかりのお母さんだろ?お母さんって、、』


「えっ、ママに緊張?」



翔大さんが何か言いかけたけど、私が被せちゃって



ママがシフォンケーキを持ってきた



「私が焼いたのよ、お口に合うといいけど♥」



そう言って、翔大さんを見つめる



「ママ、見すぎ!」



「え、えっ、やだ、あかりちゃんてばー♥」



『ありがとうございます。』



『本日はお世話になります。』



「やだー、緊張しないでよ、私が緊張しちゃうー♥」



ピロピロン、ピロピロン、



「あら?また裏が開いたわ?」



リビングの小窓からママが確認して、甲高い声で叫ぶ



「ユリアちゃん!玄関からいらっしゃいな!」



「マリ子さん、おじゃましまーす!」



ユリアさんが玄関へ回らずキッチン横から入ってくる



「ユリアさーん!」



「あかりちゃん!」



いつもの癖でギューと抱き合う



「ってか、昨日会ったわよねー(笑)」



ユリアさんがケラケラ笑う



そうだった、昨日一昨日とビックリするような会い方したんだった


ママがコーヒーとシフォンケーキをもうひとつ用意して



リビングで女3人に囲まれる翔大さん



「ホントにいい男ねー♥」



『そんなことないです。』



「あんた、緊張してるの?」



『当たり前だろ?』



「うちの俳優になってもおかしくないわー♥」



『いやいやいや、とんでもない。』



「あんたは演技力ないから無理ね!」



『姉貴に言われたくない』



「あら?ユリアちゃんは凄いのよー!見てないの?今のドラマ♥」


『姉のは見てません。』



「まぁー、あかりちゃんと同じね?この子ほとんどテレビ見ないのよー、世間に疎くて困っちゃうわよね♥」


「今は見てるよ。ユリアさんのドラマも録画してるし」



「そうなの?ありがとう、あかりちゃん!」



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