この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
金曜日
第16章 私の実家
「翔大さん、父はまだ会社だって、もうすぐ戻ってくるって言ってるけど」
『あ、あぁ、大丈夫、』
「やだ、緊張してる?」
『そりゃするさ、あんな綺麗な方があかりのお母さんだろ?お母さんって、、』
「えっ、ママに緊張?」
翔大さんが何か言いかけたけど、私が被せちゃって
ママがシフォンケーキを持ってきた
「私が焼いたのよ、お口に合うといいけど♥」
そう言って、翔大さんを見つめる
「ママ、見すぎ!」
「え、えっ、やだ、あかりちゃんてばー♥」
『ありがとうございます。』
『本日はお世話になります。』
「やだー、緊張しないでよ、私が緊張しちゃうー♥」
ピロピロン、ピロピロン、
「あら?また裏が開いたわ?」
リビングの小窓からママが確認して、甲高い声で叫ぶ
「ユリアちゃん!玄関からいらっしゃいな!」
「マリ子さん、おじゃましまーす!」
ユリアさんが玄関へ回らずキッチン横から入ってくる
「ユリアさーん!」
「あかりちゃん!」
いつもの癖でギューと抱き合う
「ってか、昨日会ったわよねー(笑)」
ユリアさんがケラケラ笑う
そうだった、昨日一昨日とビックリするような会い方したんだった
ママがコーヒーとシフォンケーキをもうひとつ用意して
リビングで女3人に囲まれる翔大さん
「ホントにいい男ねー♥」
『そんなことないです。』
「あんた、緊張してるの?」
『当たり前だろ?』
「うちの俳優になってもおかしくないわー♥」
『いやいやいや、とんでもない。』
「あんたは演技力ないから無理ね!」
『姉貴に言われたくない』
「あら?ユリアちゃんは凄いのよー!見てないの?今のドラマ♥」
『姉のは見てません。』
「まぁー、あかりちゃんと同じね?この子ほとんどテレビ見ないのよー、世間に疎くて困っちゃうわよね♥」
「今は見てるよ。ユリアさんのドラマも録画してるし」
「そうなの?ありがとう、あかりちゃん!」