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金曜日
第18章 ユリアさんの告白
ママが全員分のお茶を入れて、私が運ぶ
落ち着いて座ったのを待っていたかのように
パパが話し出す
「久坂さん、遅い時間にも関わらず、お越し頂きありがとうございます。」
「いえいえ、こちらこそ夜分に申し訳ございません。」
「まずは、お伝えすべき事が増えまして、ユリアさんの事ですが」
「ユリアの?翔大の話ではなかったですか?」
「それがですな、お恥ずかしい話、お怒りにならずにお聞き下さい。」
そう言うと、ユリアさんを見てパパは
「自分で話すか?」
と、聞く
ユリアさんは小さく頷くと
「パパ、ママ、私ね北川さんとお付き合いしています。」
「えっ?えーーーっ!」
ビックリして誰よりも早く奇声をあげてしまった!
「あかりちゃん、なんて声あげてるの!しっ!」
ママに諭され、おとなしくする私
久坂社長夫妻はにこにこしたまま動じてない
「それでね、結婚したいの。」
社長の奥様が
「まさか、妊娠してないわよね?」
すかさずユリアさんは
「してないわよ!」
「はぁ、良かった、順番が大事ですからね、順番が!」
奥様はホッとした顔をして社長に
「良かったわね、あなた!」
そう言ってふたりで微笑みあい、社長が
「私達はユリアをこちらに預けた時から、もう嫁に出したも同じでした。私達の代わりに佐藤夫妻にはユリアの親代わりをして頂き、感謝の言葉では足りないくらいです。」
「佐藤夫妻がお許し頂いたのであれば、私達はなにも言うことはありません。ユリアもいい歳ですので、浮いた話も今まで無くて、少し心配していたくらいです。(笑)」
「どうか、今後ともユリアのことを宜しくお願い致します。」
「北川さんもユリアのことをどうか宜しくお願い致します。」
北川さんはセンターテーブルに頭をぶつける勢いでひれ伏して
「も、申し訳ありません、あ、ありがとうございます!」
私は呆気にとられたまま、呆然と事の次第を見ていた