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金曜日
第19章 久坂商事と佐藤企画
パパと久坂社長は笑いあって
「では、佐藤さん新事業の方は北川君の取締役就任を待ってからということで、準備は進めていますのでいつでも大丈夫ですから。あと、翔大、新事業立ち上げの際に金田をそちらに引っ張るつもりだからな、今の内に勉強しておきなさい。では、私達も失礼するかな。」
ママが慌ててキッチンに行き
「なんにも、おもてなし出来なくてすみません。これ、私が焼いたんですけど、宜しければどうぞ。」
そう言って、いつの間にか用意していたケーキの箱を久坂社長の奥様に渡して
「真由美さん、これからも長いお付き合いになりますのよ。本当に嬉しいわ。」
「マリ子さん、こちらこそー!本当に嬉しいわよ。宜しくお願い致しますね。」
楽しそうに手と手を握りあって、微笑みあう
ママが玄関までお見送りして、久坂夫妻は帰って行った
「翔大君、私達はあかりが幸せならそれでいいと思っているんだが、会社があかりの負担になっていることが一番の悩みだったんだ。久坂さんの提案で、いや、私も事務所が大きくなるにつれ、あかりの負担も大きくなるような気がしててな、提案を受けたとき正直考えたよ。」
そこまで話し、パパが翔大さんをつれて庭に出る
「あかりちゃん、お片付け手伝ってー。」
ママが呼ぶからキッチンにカップ&ソーサーを運ぶ
パパがタバコを吸いながら、翔大さんと話をしているが私には聞こえない
内緒話しみたいで、気になるーーー!
「あかりちゃん、翔大君が本当に好き?」
「う、うん、好きだよ。」
「なら、余計なこと考えずに、翔大君を信じればいいのよ。」
「余計なことって、なによ。」
「うーん、負担に思うこととか、あっ、パパが政略結婚って言ったこととか?」
「パパじゃなくて、翔大さんが言ったんだけどね。」
「翔大君するどいわよね。頭の回転がいいのね。ズバッと物言うしね。」
「ズバッと言うかな?普段はそんなんでもないわよ?頭はいいと思うけど。」
「なにより、カッコイイし♥イケメン♥」
「ママー!今日はそればっかり(笑)」
「ママは安心したのよ。あかりちゃんが私達に紹介したいって思うくらい、大事な人に出逢えたことに。」
そう言って私をぎゅっと抱きしめた