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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第9章 夢でも
「畏まりました」




 申尚宮が即答し、扉が開いた。文机の上の龍袍を丁重な手つきで平たい盆に乗せ、別室へと運ぶ。ミニョンがその様子を見て、心得た様子でお茶の支度をしに出ていった。





 そのときだった。俄に表が騒がしくなった。大勢の足音、女官たちのかすかな悲鳴。
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