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VERTEX
第11章 ショック…

身体が揺すられる。
額、鼻、頬からリップ音がする。
胸がムズムズとする。
「んっ…。」
薄らと目を開ける。
「理梨…、腹が減った。」
ニコニコしながら私の胸をパジャマの上から触る犬男が居た。
「触るな…。」
「えーっ?」
「シャワーして来る…。」
「えーっ!?」
ひとまず犬男には朝ご飯をお預けしてやる。
なんなのよ!?
期待してたのって私だけ!?
そりゃ、いつもと変わらない涼ちゃんだけど…。
ちょっとくらいのラブラブなムードくらいあっても良かったんじゃないの?
シャワーを浴びて着替えを済ませてお風呂から出ると犬男がしょぼくれている。
「うー…、朝から理梨が機嫌悪い。」
「悪くないわよ。」
「俺、夕べ…、なんかした?」
何もしなかったから腹が立ってんのよ!
フンッと鼻を鳴らしてそっぽを向く。
涼ちゃんがドライヤーで私の髪を乾かし出す。
「髪…、編むか?」
「編む。」
大人しく私の髪を器用に束ねて編み込みをしてくれる。
私は自分で出来ないのに涼ちゃんは私の髪に慣れていて5分もかけずに束ねてくれる。
編み込みを外すとナチュラルにウェーブがかかって私のふわふわの髪が広がるから、それが好きだと涼ちゃんがいつも言う。
「美容師になれば良かったのに…。」
「へ?」
「何でもない。」
「まだ機嫌悪いのか?」
不安そうに私の頬にキスをする。
「俺、マジになんかした?」
「何でもないからご飯に行こう。」
犬男を連れてホテルの朝食に向かう。
凹んでいても朝はガッツリの犬男…。
「理梨もちゃんと食えよ。」
「食べてるよ。」
この人とこんな生活をする。
それは恋愛というのかな?
そこにドキドキがないから切なくなる。

