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第11章 ショック…



呆れるよりも笑っちゃう。

ひたすらケラケラと笑う私にとにかく涼ちゃんがアタフタとする。


「理梨!?」

「だって…、涼ちゃん、考え過ぎ…。」


涙が出るくらいに笑ってた。


「考えるよ。理梨に捨てられたら俺、多分生きていけない気がする。」


私の髪を匂うように涼ちゃんが鼻を埋めて来る。

だから犬男って言われるんだよ。

そんな涼ちゃんに笑ってしまう。


「別に嫌じゃないよ。ただし、こんな時間に襲わないで!まだお風呂にも入ってないんだから。」

「わかった。」


わかった割には、ずっと私の顔中にキスをする。


「ねぇ、涼ちゃん?」

「何?」

「他の人と恋愛しようと思った事とかある?」

「なんだ、それ?」


涼ちゃんが口を開けて間抜けな顔になる。


「涼ちゃん…、私しか見ないって皆んなから言われるでしょ?私以外の人の事は考えた事ないの?」

「………。」


微妙な沈黙…。

こういう時は何かを隠している時。


「正直に答えなさい。」


私が詰め寄ると涼ちゃんが嫌な顔をする。


「高校の時にさ、何人かの女子から付き合って欲しいって言われたんだよ。」


それは知っている。

バレンタインデーなん涼ちゃんの家までチョコレートを持って来る女の子が何人も居た。


「それを全部、好きな女の子が居るからって断ってたらさ、ある女から『それは付き合ってみないとわからないんじゃないか?もしかしたら好きな女の子よりも好きになるかもしれない事もある。』って言われた時に少し悩んだんだ。」

「その子と付き合ってみるかを?」

「いや、違う。単純に想像してみたんだ。その女と自分が一緒に歩いてる姿とか…。」

「それで…?」


聞くべきじゃなかったかもしれないと後悔していた。

涼ちゃんが私以外の女の子の事を1度でも考えた事があるとか言われるとショックだった。


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