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VERTEX
第11章 ショック…

涼ちゃんが私の頬にキスをする。
「で…、全く想像が出来なかったんだ。俺が想像する女って結局は全部が理梨なわけ。」
「へ?」
「やっぱり、理梨以外の女と並んで歩くとか考えられなかったんだ。だから、そいつも断った。」
どんだけー?
そんな涼ちゃんが好きだと思う。
私しか見ない男。
「だから理梨を愛してる。理梨しか要らないって思うんだ。」
そう言って私にキスをする。
「風呂…、行こうか?」
涼ちゃんが聞いて来る。
「うん…、行こう。」
涼ちゃんと手を繋いで大浴場に向かった。
「先に部屋に帰ってていいよ。」
「待ってるから、ゆっくり入ってくればいいよ。」
外で涼ちゃんがずっと待ってると思うとお風呂にゆっくりと入れないのが人の心理なんですけど…。
そう思いながら涼ちゃんと男湯と女湯の前で別れた。
昔はよく一緒に入った覚えがなんとなくある。
はしゃいで走り回る私を涼ちゃんが追いかけ回した挙げ句に涼ちゃんが転けて泣いていた記憶。
今はやばいくらいのいい男になって泣き顔なんか見せてくれそうにない。
湖の向こうに富士山が見える絶景の露天風呂に浸かって昔を色々と思い出す。
涼ちゃんが私の傍に居なかった日はほとんどない。
いつだって私の為に傍に居てくれた。
今は私が涼ちゃんの傍に居たいと思う。
お風呂から出て浴衣を着てから外の待合室に行く。
キャーキャー言う女の人達の声がする。
涼ちゃんが3人の女の人に囲まれている。
「本当に禁止されてるの?」
「ああ、VERTEXが禁止している。それに今はプライベートだから騒がれたくない。」
「残念…。」
女の子達は涼ちゃんのファンだと思う。
私が出て行けば騒ぎになるかもしれないと考えると足が竦んでしまう。

