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VERTEX
第2章 お迎え…
泣き虫は治り、強くなった。
カッコいい男にも間違いなくなった。
でも…。
今は逆に自分がそんな涼ちゃんに勝てなくなるのが怖いと思う。
背だって私は151で止まった。
気付けば涼ちゃんを見上げるようになってた。
「理梨…。」
お母さんの前でも平気で涼ちゃんは抱きついて来る。
私の髪を撫でるようにして私を抱きしめて私だけだからという態度を崩さない。
そんな涼ちゃんをうちの両親は全く気にしない。
寧ろ、お隣さんならお嫁に行って来い感覚。
お互いが1人っ子でお互いが似た感覚で育って来たから涼ちゃんになら大丈夫と安心している両親。
「着替えて来る…。」
涼ちゃんを押し退けて立ち上がると平気な顔で涼ちゃんは私について来る。
「着替えるんだってば…。」
「うん…。」
2階にある自分の部屋に上がる階段で涼ちゃんに文句を言っても涼ちゃんはやっぱり気にしない。
当たり前のように私の部屋に入るなり後ろから私を抱きしめて来る。
「ああいう女…、嫌いだ。」
国崎さんの事を言っている。
「VERTEXはなんて言ってるの?」
「ジムから文句は入れてくれている。でも、番組宣伝になるからあの女の注目度は上げたいらしい。」
そう言いながら私のカーディガンのボタンを腰から回した手で外していく。
「こらっ!」
「着替えるんだろ?手伝ってやる。」
「下にお母さんが居る。」
「わかってる…。」
髪を避けてうなじにキスをして来る。
耳元まで何度もキスをしてから
「理梨だけが居ればいい。」
と囁いて来る。
彼氏?
そう聞かれると
わからない…。
と答える事になる。
ずっと一方的に涼ちゃんが私が欲しいと言い続けた幼なじみという関係…。