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第2章 お迎え…



「たまには休みなよ…。」


その程度しか言ってあげられない。


「理梨が一緒に居てくれるなら、そうする。」


そう言って涼ちゃんがキスをする。

やっぱり私次第。

それでいいの?

涼ちゃんはそれで構わないの?

慣れて来たキスにそんな事を考える。

私は涼ちゃんが好きだと思う。

涼ちゃんにしがみつき涼ちゃんの温もりを感じると安心して眠くなる。


「おやすみ…。」


額にキスをする涼ちゃんの声を聞きながら気持ち良くて眠っていた。

目が覚めたら涼ちゃんが居なかった。

1階に降りて台所に居るお母さんに聞いてみる。


「涼ちゃんは?」

「ジムからの発表があるからってマスコミの人達がもう居なくなったから帰ったわよ。」


そんなもんだ。

所詮は売れない女優と格闘家の恋愛。

必死になって追いかけ回すほどの価値がない恋愛…。

私が相手だと尚更価値がない?

そんな風に考えると怖くなる。

いつから、こんなに怖がりになったのだろう…。

涼ちゃんが泣き虫を辞めてから?

ぼんやりとする私にお母さんが夕食作りを手伝えと言って来る。


「涼ちゃんのところにお嫁に行くなら、料理くらい出来ないと恥ずかしいわよ。」


言われなくてもわかっている。

涼ちゃんのお母さんは凄く料理が上手くて栄養士の資格まで持ってる人。

涼ちゃんの今の強い身体を作ったのは涼ちゃんの努力と涼ちゃんのお母さんだ。

私は何もしていない。

ただ涼ちゃんと一緒に居て恥ずかしくない女になる為だけに勉強をして短大に行くだけの子…。

人生の目標も何もない。

努力なんかした事もない。

お母さんを手伝いながら、ため息ばかりが出た。


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