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第2章 お迎え…



お父さんが帰って来て夕食を食べる。

お母さんは自慢話。

ワイドショーの話を聞いて午前中に1度涼ちゃんはジムに行ったらしい。

午後に家に帰ろうとするとリポーターがもう涼ちゃんの家を取り囲んで居た。

そこでうちのお母さんの出番だった。

車を出して涼ちゃんをジムから拾い呑気に涼ちゃんを連れてスーパーへと買い物に連れて行く。

後は車で帰って来て涼ちゃんを隠してうちの家に連れて帰ったという武勇伝。


「リポーターって、案外チョロいわね。」


お母さんはご満悦。

ど田舎の暇な主婦。

そんな小さな事件が楽しいらしい。

お父さんは


「涼ちゃんも大変だな…。」


と同情をするだけ。

お父さんと涼ちゃんのお父さんが同じ会社の同期入社という関係。

似たような2人は似たように出世して仲良し小好しの間柄。

大手の自動車会社勤務。

お父さんは営業部長。

涼ちゃんのお父さんはエンジニアで工事部長。

同じ時期に家を買い、偶然、お隣さん同士になっても気にしない。

この辺りは田んぼと畑ばかりだから…。

知り合いがご近所になるのはよくある事。

敢えて、私立の女子高を選んだ私の周りは人間関係が少し変化をしたけれども、普通に近所の公立高校へと進んだ子は半分以上が小学校からの同級生という環境になる。

この限られた世界からアッサリと飛び出した涼ちゃんをある意味では尊敬する。

そんな涼ちゃんに私はどうすべきかがわからない。

女優と熱愛を簡単に報道されちゃうくらい凄い人になっちゃった。

時々、町で会う中学の時の同級生だった男の子達に


『今のうちに本田先輩のサインを貰ってくれよ。』


とか言われる。

涼ちゃんが居るから私に話し掛けるという子が少なくなかった中学時代。


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