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VERTEX
第16章 受験生…
お母さん達と大福を食べたら、とりあえずは自分の部屋で勉強をする。
「理梨…。」
私の背後に犬男が擦り寄って来る。
「お座りをして待ってなさい!」
「理梨ぁ…。」
申し訳ないが学力という部分ではこの犬男は全く役に立たない。
涼ちゃんの場合は頭が悪いってほどではないけれども極普通の高校を出てすぐにVERTEX入りをしたから勉強に関しては私の周りをウロウロとするだけではっきり言って邪魔にしかならない。
「受験って…、大変か?」
「内部生だから…、普段の成績に問題がなければ試験当日が悪くても、そんなに影響はないよ。」
「なら…、理梨はなんでそんなに勉強する?」
「なら…、涼ちゃんはなんでそんなに練習するの?」
「理梨と結婚する為…。」
がっしりと私に抱きついて頭を私にスリスリと擦り寄せて来る。
「だから!そっちで待ってなさい!」
たかが1時間の勉強にも涼ちゃんが居ると苦労する。
どうせ集中が出来るのは1時間…。
ある程度の区切りで勉強を済ませたら涼ちゃんの方へと向き直る。
「終わった?」
満面の笑みで犬男が私を待っている。
「終わった…。」
その一言で顔中にキスをされる。
冷たいようだけど早く休暇が終わってジムに行きやがれとか思っちゃう。
何故なら…。
犬男のお目当てはこの時間からのお散歩…。
いや、お目当てはロードワークにあるからだ。
「もう…、出れるか?」
私をキス塗れにした後は犬男が軽くストレッチを始める。
「はいはい…、あんまり飛ばさないでよ。」
ひとまず私も動き易い服に着替えて自転車の鍵とタオルを用意する。