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VERTEX
第17章 間違ってる…



やっぱりサイン会って大嫌い。

そんな思いだけで名古屋へと移動をした。

名古屋の駅ではVERTEX側で用意をした派手なデコレーションワゴン車が私と涼ちゃんを迎えに来る。

車のボディに霧島さんのアップが描かれたワゴン車に恥ずかしいと思いながら乗り込む。


「後、2人来ますから…。」


しばらく、そのワゴン車の中で待つ羽目になる。

5分もすればワゴン車の扉が開く。


「お待たせして、ごめんなさい。」


現れたのは和美さんとミケ…。


「やっぱり理梨も来てたんだ!」


ミケが私の手を握る。


「理梨に構うな。」


一気に涼ちゃんが不機嫌になる。


「Mr.RYOJIは心が狭い…。」


ミケが眉間にシワを寄せる。


「貴方が広過ぎるのよ。これ以上のトラブルはお断りだわ。」


苛立つように和美さんが言う。

ミケが新幹線の中で女の子に写真とサインは無理だからと言って握手をしまくったらしい。

あっという間にファンに囲まれたミケを新幹線から出すのに手間取ってしまった和美さんは遅刻する結果にピリピリとしている。


「和美は僕に怖い顔しかしません。せっかく笑えば美人なのに…。」

「悪いけど…、そういう態度を続けるならマネージャーに男性を付ける事になるわよ。」

「それはお断りします。男と食事をしても楽しくありません。」


猫が大人しくなる。

売り出し中のミケのとりあえずのマネージャーに和美さんが付いたらしい。


「和美さんってマネージャーもするんですか?」

「ミケの所属ジムは国外だし、身内もアメリカなの。ミケの人気がトップ5に入るようなら専属マネージャーを付ける事になるから、今は私が代理としてやってるだけよ。」


事務的に和美さんが話す。


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