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VERTEX
第17章 間違ってる…



私が居るからとVERTEXからの専属マネージャーを断った涼ちゃん…。

本来ならば涼ちゃんのマネージャーに和美さんがなるはずだった。

私のサポート役になった和美さんはミケの一時的なマネージャーも務める事になる。


「和美さんって、何でもやるんだ?」

「何でもじゃないわよ。私は広報だから…、あくまでもファイターとスポンサーの繋ぎ役。今日はスポンサーの食事会もあるでしょ?ミケのマネージャーなんて普段はお断りよ。」


和美さんの厳しい言葉にミケがニャンと鳴く。


「和美…、怖い。理梨は可愛いのに…。Mr.RYOJIは狡いです。」


口を尖らす猫を犬は知らん顔でやり過ごす。


「サイン会は涼ちゃんとミケの2人ですか?」

「いいえ、後1人、来るわ。」

「後1人?」

「黒田 潤さん…。今のランキング7位の人よ。」


和美さんの説明を聞きながらワゴン車はホテルに到着をした。

サイン会は基本、全てがホテル内で行われる。

まずは普通に昼からのサイン会。

ファンは1000人に限定されている。

だけど涼ちゃんのファンだからと言って必ずしも涼ちゃんのサインが貰えるとは限らない。

涼ちゃん1人に1000人分のサインが書ける訳がなく、当日の整理券で貰えるサインが決まってしまう。

そして5時間近いサイン会の後にはスポンサーが集まった食事会。

翌日は写真会を兼ねたお茶会が決行される。

そこでのファンは50名に更に絞られる。

DVDに付いている応募券を大量に購入をして抽選で選ばれたファン。

タレントでも俳優でもないのに…。

サインを書いてはファンと握手をするを繰り返す涼ちゃんに同情をしたくなって来る。


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