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第17章 間違ってる…



「子供っぽい事しないで…、笑われてるじゃん。」

「理梨が他の男を見てるからだろ?」

「だって、黒田さんって本当に綺麗な顔をしてるんだもん。ファイターじゃなくてモデルさんとかタレントさんの方が絶対に似合うって…。」


私の発言に和美さんと黒田さんが苦いものを食べたような表情を浮かべる。


「タレントさんなんだよ…。」


涼ちゃんまでもが眉を顰めて私を見る。


「タレントさん?」

「黒田さんは元々が俳優さん…。」

「マジ!?」


私と涼ちゃんの会話に黒田さんが申し訳ないという顔をする。


「売れない俳優なんで…、今は格闘の方に参加してるんですよ。」


黒田さんが苦笑いをする。


「ごめんなさい!」

「理梨はテレビを見ないからな。」


涼ちゃんがフォローをしてくれる。


「テレビを見ないのですか?それともMr.RYOJIに見せて貰えないのですか?」


黙ってお弁当を食べていたミケが突然聞いて来る。


「どういう意味だ?」


涼ちゃんがミケに嫌な顔をした。


「理梨はまるで閉じ込められたお姫様だ。ここに居るのは可哀想に見えますよ。」


ミケが涼ちゃんに突っかかる。


「ミケさんには関係ない。」

「閉じ込められたお姫様を助けに行かなければならないのが王子です。」

「理梨は閉じ込められていない。」


控え室が殺気立つ。


「涼ちゃん…、そろそろ時間だから…。」


私は慌てて涼ちゃんを宥める。


「ミケも時間よ。今日のミケはオマケなんだからRYOJIさんに絡まないで。」


和美さんもミケを叱る。

黒田さんだけがアタフタとする。

ひとまず涼ちゃん達を連れてサイン会の会場へと向かう事にした。


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