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第17章 間違ってる…



ホテルの部屋の呼び鈴が鳴る。

時刻はまだ7時になったばかり。

涼ちゃんが帰って来た?

不思議に思ってドアを開けてみた。


「ルームサービスです。」


ワゴンが扉の中へと入って来る。


「ミケ!?」


最近、見慣れて来た金髪にそう叫んでいた。


「理梨、ご飯にしましょう。」

「ダメでしょ?ミケ、食事会に戻らないと…。」

「ランキング12位のファイターに興味を持つスポンサーなんかいませんよ。それよりも僕は理梨の食事の方が気になります。」

「私はもう食べたわよ。」


テーブルの上にはパサパサになったピザがある。


「ピザを1切れだけが食事ですか?だから理梨は小さなままなんです。」


ミケが私を叱るように言う。


「小さくてわるかったわね!」

「顔色も悪い。理梨はちゃんと食事をしなければならない。」


ミケが私の食べかけのピザを片付けてテーブルに食事を並べ出す。

カルパッチョ…、サラダ…、ローストビーフ…。

そしてお皿に乗った白いご飯の上にミケがカレーのルーをかけた。


「カレーライス?」


スパイシーな香りが部屋一面に漂った瞬間…。

キュゥゥゥゥ…。

私のお腹が音を出す。


「理梨の身体は正直ですね。」


ミケが有り得ないほどの優しい笑顔で微笑んだ。

恥ずかしくて慌ててお腹を押さえた私をふわりとミケが抱えるようにしてソファーに座る。


「まずは食事、それから理梨の文句を聞いてあげますからね。」

「文句なんかないわよ。」


ミケがカレーを掬ったスプーンを私の口の前に差し出した。


「何故、理梨は我慢をするの?閉じ込められているのに理梨は無理をして笑っている。それはMr.RYOJIの為ですか?なら、理梨は間違ってますよ。」


私にカレーを食べさせながらミケが私を叱るように言って来る。


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