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VERTEX
第18章 2度とお断り…
「悪いけど…、それは出来ないと断ってちょうだい。」
朝から和美さんが険しい顔をする。
「和美…、何かありましたか?」
ミケが和美さんを心配する。
「大丈夫よ。Gグループの社長令嬢を今日のお茶会に出席させられないかという問い合わせが来たの。例えスポンサーサイドであってもVERTEXの契約ルールは守って貰うだけよ。」
説明をしながら和美さんが私の顔をちらりと見る。
咲良ちゃんと私が同級生という事実があるからだ。
「夕べ、咲良ちゃんとは会ったの?」
涼ちゃんに確認をする。
「ああ、話はしてないけどな。」
涼ちゃんの声が冷たいと感じる。
こういう時の涼ちゃんは気に入らない事があったという事だけは私にはわかる。
「話はしなかったけど…、何があったの?」
私の問いに涼ちゃんが驚く顔する。
「あの子がジムに遊びに行きたいとかそんな事を言っていた。だから、こちら側はあくまでもVERTEXとジムを通して話をしてくれと言ってある。」
不機嫌なまま涼ちゃんが朝ご飯を頬張った。
ジムにまで押し掛けられたくない思い。
それは嫌という程に知っている。
だけど私がどう咲良ちゃんに説明をするべきかを考える。
VERTEXはスポンサーからの広告資金で運営されているのは事実。
されどスポンサーはあくまでもファンの一部であるという考え方でもある。
テレビ放映での視聴率が取れる今はVERTEXもそれなりに強気の態度をスポンサーサイドには示してはいるけれども、やはり資金力のあるスポンサーには弱くなってしまう。
何も出来ない小さな女の子が嫌だと歯痒くて唇を噛み締めた。