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第19章 欲しいのなら…



金髪で蒼い目の猫がうちのお茶の間でご機嫌に大福を食べている。

それはパニック以外の何ものでもなく、私の頭の中にはひたすら


『泥棒猫!』


とキャンキャン喚く犬男がいる。

頭が痛い…。

手を顔に当てて嘆きたくなる。


「理梨…、具合でも悪いのですか?」


ミケがしれっと聞いて来る。


「アンタのせいよ!」

「何故、僕が?」


諦めてミケの隣りに座るとお母さんが私の分のお茶を入れてくれる。

その熱いお茶を飲みながら心を落ち着けてミケに聞いてみる。


「何をしに来たの?」

「理梨とデートですよ。約束をしたでしょ?」

「してません!」


お母さんはニヤニヤとしている。

私が困った顔をすると妙に喜ぶお母さん…。


「着替えて来る。」


いつまでも制服のままでは居たくない。

ミケを残して自分の部屋で普段着に着替えを済ませると部屋の扉がノックされる。


「ここが理梨の部屋?」


笑顔のミケに流されそうに感じる。


「入らないで…。」

「わかってます。レディの部屋に押し入るような無粋な真似はしませんよ。」


ミケがクスクスと笑う。

無理矢理に押し入る無粋な犬とは違うのだと思うと不思議な感覚がする。


「出掛けましょう。」


ミケが私の手を握って外に出ようと促すから、そのまま家の前へと出ていた。


「ミケ…、悪いけど帰って…。」

「何故です?」

「用事があるの?」

「どんなご用事ですか?」

「涼ちゃんのジムに行くの…。涼ちゃんを迎えに行くのが私の役目だから…。」


私の言葉にミケが悲しそうな顔をする。

切なくて胸が痛くなるような目でミケが私を真っ直ぐに見下ろした。


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