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第20章 親戚…



涼ちゃんに軽くキスを落として家に帰る。

後、少しだから…。

年末さえ終われば…。

今はそれしか考える事が出来ずに眠る毎日だった。






「理梨…、ちょっと…。」


学校から帰るなりお茶の間のお母さんが私を呼ぶ。

このパターンって嫌な予感しかしない。

迎えに来るとか言っていた涼ちゃんも別に学校へは来なかった。

心のどこかでは期待をしていた部分がある。

涼ちゃんとの関係を学校側にバレると面倒な事になるのはわかっていても咲良ちゃん達に見せびらかしたい気持ちがあるのも事実だ。


『悪いけど…、彼が私の恋人なの。』


平凡で小さな女の子が唯一、誰かに自慢が出来る事はそれだけだから…。

まあ、そんな夢は叶うはずもなく…。

我が家の平凡なお茶の間の襖を開けてみた。


「へ?」


多分、私の人生の中できっと最大の間抜けな顔をして間抜けな声を上げたと思う。

今日は土曜日…。

うちのお母さんとお父さんが仲良くお茶の間で大福を食べている姿はよくある事。

だけど…。

今日は涼ちゃんのお父さんとお母さんが肩を竦めて複雑な顔をしてうちのお茶の間に座っている。

しかも…。

涼ちゃんがわざわざご丁寧にスーツを着てご両親と並んで座っている。


「ほら、理梨もこっち来て座んなさい。」


お母さんが私の分のお茶を入れて私を涼ちゃんの隣りに座るように促す。


「何事!?」


思わず、涼ちゃんに向かって叫んでいた。

相変わらずの涼ちゃんは、やたらとニコニコとしていて上機嫌…。


「理梨を迎えに行くって言ったろ?」

「迎えにって…。」


両家の両親が揃う大袈裟なお迎えって何!?

私だけがアタフタとする。

私が動揺すればするほど、涼ちゃんのお父さんとうちのお父さんが苦笑いをする。


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