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第20章 親戚…



唯一、涼ちゃんのお母さんだけが情けないものを見るように涼ちゃんを見ている。

4度目のプロポーズ…。

しかも、今回はかなり本気モードの涼ちゃん…。

ここで嫌だとか言えば、本当に涼ちゃんは立ち直れなくなるだろう。


「だからっ…、私だってそのつもりだから…、何度もプロポーズをしないで!せっかくのプロポーズの有難味が台無しになるでしょ!?」


素直に可愛くイエスと言えない私はそんな返事しか返してあげられない。

それでも犬男は満足らしい。


「うん!俺…、理梨と結婚するから…。」


そう言うとご機嫌で私に抱きついて来る。


「離れろ!」

「えーっ?なんで?」


私の顔を舐め回す勢いで私にベタベタとくっ付いて来る犬男を押さえ付けて躾をする。

両親'ズは呆れた顔で笑っている。


「とりあえず、着替えて来るから…。」

「うん、わかった。」


何がわかったのかと聞きたくなる。

何故なら、着替えると言った私の部屋に犬男は平然としてついて来る。


「着替えるんだってば!」

「うん、だから…、理梨の着替え…。」


涼ちゃんが大きな紙袋を私に見せて来る。

紙袋には涼ちゃんのスポンサーのブランドメーカーの大きなロゴが入ってる。


「これは?」

「理梨の着替え…。食事して…、ばぁちゃん家に挨拶に行くから…。」


涼ちゃんが少しだけ悲しげに笑う。

涼ちゃんと結婚をする事は楽しい事ばかりじゃない事を思い出した。


「今日は…、ジムは?」

「ジムの方は休みを取った。だから今日で全てを済ませたら後は試合までの日にちを何も考えずに試合だけに集中をしたいんだ。」


穏やかな顔で私の制服を脱がせて涼ちゃんが用意をした服に着替えをさせて来る。

涼ちゃんとお揃いのスーツ…。

バッグに踵の高いヒール…。

初めての大人のブランドスーツが似合わなくて少し恥ずかしいと思った。


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