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第21章 負傷…



このビックイベントの後、1月中には人気投票の集計が行われる。

そして来年の頂点が発表される。

涼ちゃんが頂点になれるかはわからない。

ただ涼ちゃんの中でカッコいい男の人という目標に常に霧島さんの存在があった。

私がカッコいい男を望んだから、涼ちゃんは霧島さんと並ぶ男になると決めてここまで来た。

泣き虫の涼ちゃんには、きっとそれは辛い道のりだったと思う。

優しくてニコニコとしているだけの男の子が辛い練習に自分を追い込んでその道のりだけを真っ直ぐに走って来た。

私の犬だと皆んなから馬鹿にされても揺るぐ事がなかった涼ちゃんだからこそ私も真っ直ぐに涼ちゃんを応援しようと思う。

オープニングが終わり、客席を見渡してみる。

巨大スクリーンの前に設置されたリング。

その一番正面にはアナウンサー席…。

その後ろにフェンスで囲まれた特別席が見える。

なんとなく見た事のある俳優さんや女優さんの顔がチラチラと並んでいる。

招待席…。

つまり、そこにはスポンサーも招待をされている。

咲良ちゃん…。

ロマンスグレーのお父さんと並んで座る咲良ちゃんの姿も確認をした。

真っ白なベレー帽に真っ白なワンピースを着て、まるでアイドルのような姿の派手な咲良ちゃん。

少し前なら面倒な咲良ちゃんに見つかりたくないと思っていた。

今なら咲良ちゃんに見つかったとしても堂々と出来る自分が居る。

学校が禁止しているのは、あくまでも不順異性交遊であり、親同士が認めた婚約者などの正式な関係であれば校則に触れる事はない。

お嬢様学校である以上は、許嫁が居る学生も数名は存在をするが故の校則。

涼ちゃんは私がサイン会に時のようにコソコソと隠れたりせずに済む状況を作り出そうとしてクリスマスに正式な婚約をしてくれた。


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