この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
VERTEX
第21章 負傷…



霧島さんの相手はアウトファイター…。

自分の距離を常に取り、なかなか霧島さんの射程には入ろうとはして来ない。

それでもテクニックは霧島さんの上だと感じる。

常にリングの中央を霧島さんが取り相手を潰せるチャンスを狙っている。

ミケの時とは違って地味な試合…。

だけど霧島さんは慎重にワンチャンスを狙いながら軽やかなフットワークで相手にジャブなどの軽い攻撃で揺さぶりを掛け続ける。

3Rまで縺れ込む。

霧島さんに振り回された相手に余裕がなくなった。

霧島さんも多少は疲れを見せてはいるけど、肩で息をする相手に比べれば余裕がある。

霧島さんの射程に相手が踏み込んで来た瞬間だった。

フラリと霧島さんの身体が揺れたと同時に相手の顔が歪むほどのパンチが2発、決まっていた。

勝った…。

そう思いたかった。

相手が膝を着く瞬間にゴングが鳴る。

時間切れの判定…。

レフリーがジャッジの判定結果を発表をするまでの時間が長く感じてイライラとする。


「ジャッジ…、WINNER…、霧ー島ー!!」


レフリーが高々と霧島さんの腕をあげる。

穏やかな笑顔を見せた霧島さんにホッとしたと同時にミケとの戦いが決まった事に不安が募って来る。

霧島さんは負けない!

もし、ミケが勝ったらミケなんか無視してやる。

自分勝手にミケを憎む。

そう思わなければ耐えられない。

だって霧島さんの視力が落ちていると涼ちゃんが言っていた。

ミケに比べて霧島さんの試合には全く余裕を感じなかった。

テクニックだけでかろうじて勝てた。

そんな部分が見えて来ると辛くて霧島さんを見ていられない私がわかる。

首を振って雑念を振り払う。

次は涼ちゃんの試合…。

終わったら控え室に行ってあげよう…。

両手を握りしめて祈るように組み、リングだけを睨みつけていた。


/388ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ