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第22章 挨拶…



そんな私に露骨に胡桃さんが嫌な顔をした。


「理梨ちゃんって…、いつもそうよね?」


胡桃さんにそんな言い方をされるとは思ってもみなかった私は胡桃さんを睨んでしまう。


「どういう意味ですか?」

「別に…、いいえ、この際だからハッキリと言わせて貰うわ。理梨ちゃんって…、本当に涼二の気持ちを考えてるのかって思う時があるのよ。」

「涼ちゃんの気持ち?」

「そうよ。今日だって涼二はあんな怪我をしたのに理梨ちゃんの為にって戦うんでしょ?なのに、その試合を如何にも私は観たくありませんって態度じゃない?彼女だったら怪我をしたんだから試合を止めるとか出来たんじゃないの?」


学校が同じだったらしいが、よく知らない人に何故か私は一方的に責められている。


「私だって止めましたよ。それでも涼ちゃんが戦うと言うんです。胡桃さんは私にどうしろって言うのですか?好きな人が殴られる姿を観て楽しいと思う人が居るのですか?」


涼ちゃんのお母さんだって涼ちゃんが殴られる姿は観たくないと言って試合には一度も来た事がない。

それでも私は我慢をして涼ちゃんの為に試合の全てを観て来たつもりだ。

それを知らない人に責められる言われはないと胡桃さんに言い返す。


「止めたのに、試合に出るって言われたから試合を観たくありませんって態度なんだ…。やっぱり理梨ちゃんって涼二の事なんか何もわかってないんだ。」


胡桃さんが呆れたように私を見下ろした。

この人に何がわかるの?

なんで、この人にここまで言われなきゃならないの?

悔しさだけで目頭が熱くなって来る。

こんな人に…。

涼ちゃんの全てをわかっているような態度をされている自分が惨めになって来る。


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