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第24章 役立たず…



店員さんの方は


「もう、いいよ。出来ないって言ってるんだし、彼女連れってプライベートって事だろ?試合…、勝っておめでとうございます。」


と涼ちゃんの為に気を使って言ってくれる。

それでも…。


「無敗のチャンピオンだって言われて調子に乗ってんだろ?試合が終わったばかりで女連れてチャラチャラして、俺はモテるを見せびらかすとか最低だよな。」


酔ったお客さんの勢いが止まらない。


「すみません、店…出ます。代金は払いますから注文をキャンセルして下さい。」


涼ちゃんがそう言った瞬間


「こんな店じゃチャンピオン様は飯も食えないって言うのかよ?ふざけんな。」


涼ちゃんと私に向けて割り箸が入った箱が飛んで来た。


「きゃあっ!」


さすがに私が悲鳴を上げる。

席から立ち上がる涼ちゃんが私の方へと回り込む。


「理梨?大丈夫か?」


涼ちゃんがお客さんを睨みながら聞いて来る。

正直に言うと怖いと思った。

たかがラーメン1杯すら落ち着いて食べられないなんて…。


「すみません、すみません。」


店員さんは涼ちゃんに平謝りをする。


「かかって来いよ。無敗のチャンピオン様…。どうせ八百長試合ばかりなんだろ?」


酔ったお客さんがフラフラしながら涼ちゃんに向けてファイティングポーズを取る。

涼ちゃんが困った顔をする。

ここでやり合えば非難をされるのは涼ちゃんの方だ。

プロが酔った素人に本気を出したりなんか絶対に出来ない。

それでもお客さんの挑発が止まらない。


「女の前だからカッコつけてんの?本当は弱いくせに、それがバレたら困りますってか?」


涼ちゃんの目付きが変わっていく。



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