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第24章 役立たず…



「そんなに大変なんですか?」


店員さんが驚いた顔をする。


「涼ちゃんは…、RYOJIは本当はラーメンが好きなんです。だけど普段は食べる事が出来ないから…。」


泣きそうになって店員さんに答える。


「また、来ますよ。サインは出来ないけど…、東京に来たら、ここのラーメンを食べに来ます。」


涼ちゃんが笑って店員さんに言う。

店員さんも穏やかな笑顔を涼ちゃんに向ける。


「いつでも、お待ちしてますから…。」


涼ちゃんの苦労を誰も知らない。

知らないから好き勝手な事を涼ちゃんに言う。

ラーメン屋さんのようにその苦労のほんの一部を理解して貰えただけで凄く有難いとか感じる。

普通の人にはこんな苦労はないのに…。

泣き虫の涼ちゃんにその苦労がどれだけ辛かったのかを考えると胸が痛くなる。

きっと自分に何度も言い聞かせて来たのだと思う。

全てが私の為だけなんだと…。

ラーメン屋さんを出て涼ちゃんが車を走らせる。


「やばい…、腹が膨れたら眠い。」

「やっぱり…、無理せずにホテルに泊まる?」

「んー…。」

「泊まろうよ。明日の昼までに帰ればいいよ。」

「ラブホくらいしか多分無理だぞ?」


そのラブホテルですら満室のマークばかりが出ているのに涼ちゃんと2人で驚いた。


「さすが…、お正月…。」


2人でそう言って笑うしかなかった。

ボロボロのホテルでかろうじて空き室を見つけてホッとする。

空いている部屋は和室の1室だけ…。


「眠れたら…、なんでもいいよ。」


お城じゃなきゃ嫌だと言う我儘はもう終わりにする。


「マジ…、寝る。」


それだけを言うと涼ちゃんが寝てしまう。


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