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第25章 半分っこ…



「腹減って…、死にそう…。」


ホテルを出て高速道路に車を向けながら涼ちゃんが嘆くように叫ぶ。


「朝から、えっちな事するからでしょ?」


自業自得とばかりに涼ちゃんを叱る。

あれから、しばらく私の腰が立たなくて、やっとホテルを出れたのは昼前の事…。

お正月だからとルームサービスすらないホテルだったから涼ちゃんが泣きそうな顔をする。


「ごめんなさい…、サービスエリアで…、なんか食べさせて下さい…。」


情けない犬男が私にそう言う。


「今年の年末はジムのバスに乗って帰る…。」


お正月だというのに、いつまでも我が家に辿り着かないこの状況に呆れちゃう。


「ご飯を食べたら、マジで飛ばして帰ります。」

「飛ばさなくていいの!事故をしたらそれこそ意味がないでしょ!」

「お願い…、今はご飯が食いたい!」

「早くサービスエリアに行きなよ!」


サービスエリアでうどんを食べる。

ついでにお母さんの携帯にもメッセージだけを送っておく。

なんとか夕方前までに2人で我が家に辿り着く。


「新年早々に2人でボロボロになって帰って来るとか…、何やってんの?アンタ達…。」


うちのお母さんが呆れていた。

涼ちゃんのお母さんも心配をしてうちに来ていた。

お父さん達はお酒を飲んでご機嫌でお正月を楽しんでいる。

私と涼ちゃんだけが長い旅をして来た気分だった。


「おじいちゃん達も来るわよ。」

「希君と望ちゃんも?」

「来るわよ。涼ちゃんの優勝祝いをするって張り切ってるからね。」


クリスマスと同様に我が家でお正月のどんちゃん騒ぎをやる予定の大人達…。


「私も涼ちゃんも疲れてるんだけど…。」

「夕方まで…、寝てたら?」


お母さんがニヤニヤとする。


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