この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
VERTEX
第25章 半分っこ…
「私は昼寝は要らない。」
「じゃあ、俺だけ寝かせてくれ…。」
涼ちゃんがあくびをするから私の部屋で涼ちゃんだけを寝かせる事にした。
「怪我の具合はどうだったか理梨ちゃんはなんか聞いてる?」
涼ちゃんのお母さんが不安そうに私に聞いて来る。
お母さんに心配を掛けたくない涼ちゃんはいつも怪我をしてもお母さんには何も言わないからだ。
「怪我は大した事がなかったみたいです。レントゲンの結果も問題がなかったです。」
もし少しでも問題があれば私と涼ちゃんの2人だけで帰る事を会長さんが認めない。
「ただ…。」
そう言った瞬間、涙がボロボロと流れてた。
「理梨…!?」
うちのお父さんが慌てて私に駆け寄る。
「理梨ちゃん…!?」
涼ちゃんのお母さんやお父さんも心配をした顔で私の顔を覗き込む。
涙が止まらなくてヒックヒックと泣きじゃくる。
「涼ちゃんが…、無理…して…戦ったの…、嫌だって言ったのに…、私は嫌だって言ったのに…。」
お父さんが私の頭を抱えるようにして抱きしめてくれる。
「なのに…、あんなに頑張ったのに…、VERTEXは涼ちゃんに私の事…、認められないって…。」
夕べの思いが一気に吹き出していた。
よくわからない説明でラーメン屋さんでも嫌な思いをしたとか泣きながらお父さんに訴える。
お父さんはただ私の頭を撫でてうんうんとだけ頷いてくれていた。
「ごめんね…、理梨ちゃんが居ないとダメな子だから…、ごめんね…。」
涼ちゃんのお母さんが私の背中をさすってくれる。
両親達に会えてホッとした私は自分の思いを一気にぶつけていた。