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第25章 半分っこ…



おばあちゃんが少しだけ悲しそうに笑う。


「ありがとうとだけ言っておいて…。でも私はあの家を出るつもりはないんだ。お爺さんが買ってくれた家だからねぇ…。」


おばあちゃんはおじいちゃんとの思い出の家を出たくないと言う。

神社に着き、3人で初詣をする。

おばあちゃんは涼ちゃんの試合があるたびにこの神社に安全祈願に来ているらしい。

私も水神様に祈る。

涼ちゃんとおばあちゃんを守って下さい…。

私に出来る事はそのくらい…。

それでもおばあちゃんと2人で熱心に祈る。


「そんなに願掛ける事があるのか?」


いつまでも祈る私とおばあちゃんを涼ちゃんが呆れて笑って来る。


「また、怪我をされたら困るからね。」

「そうだよ。次の試合も怪我とかしたら許さないからね。涼ちゃんのお母さんもおばあちゃんも涼ちゃんの事をいっぱい心配するんだから…。」


おばあちゃんと2人で涼ちゃんを叱る。


「ごめんなさい…、甘い物でも奢るから…、許して下さい…。」


犬男はおばあちゃんにも犬男である。


「甘味屋さん…、開いてる?」


今はお正月…。

アウトレット以外のお店はほとんどがお休み中…。


「岬の向こうのホテルの喫茶店ならやってるよ。」


観光用のホテルなら開いている。

ホテルの喫茶店なら和菓子も洋菓子も選べるからと涼ちゃんが私とおばあちゃんを連れて行ってくれる。

おばあちゃんは羊羹が付いた抹茶セット。

私はチーズケーキと紅茶のセット。

コーヒーしか飲まない涼ちゃんをおばあちゃんが心配をする。


「ちゃんとご飯を食べてるのか?」

「欲しい時は理梨の分を1口貰ってる。」


穏やかに笑う涼ちゃんにおばあちゃんが寂しく笑う。


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