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VERTEX
第26章 身の程知らず…



「あるタレントさんの追っかけを幸村さんがしているという噂があるの…。わざわざ地方にまで行って追いかけているそうね?相手は迷惑をしているという事らしいけど…、幸村さんがかなりしつこく押しかけているという事で聞きました。それは事実なのかしら?」


先生の口調が少しずつ変わって来た。

これ以上はとぼけるなという威圧感を出している。

ならばと私は私の事実を話す事にする。


「多分…、それはタレントさんではありません。私には今、婚約者が居ます。その婚約者が時々ですがテレビに出ているので、そういう誤解が生じているのだと思います。」

「ご婚約者ですか?」

「そうです。彼とは家が隣同士でお互いの両親も理解をしてくれている関係です。必要であれば、うちの母に連絡をして頂いても構いません。彼自身の言葉が必要だと言うのであれば彼も学校に来て事実を言ってくれる人です。」

「その婚約者の方がテレビに…?」

「VERTEXという格闘番組のファイターなんです。内山田ジム所属のファイターですから私の事なら、そのジムに問い合わせも出来ます。」


私に後ろめたい事は一切何もないという態度を貫き通すしかない。


「なるほど…、でもね、幸村さん…。今は卒業前で生徒達も浮かれている時期だから…、そういう自慢話は周りに反感を生む材料にしかならないのよ。」


先生の言い方では私が涼ちゃんを自慢して他の人の反感を買ったのだという事になる。


「申し訳ございませんが私は自慢は1度足りともしていません。寧ろ、VERTEXの話題すら学校では避けて来たつもりです。」


涼ちゃんの事は1度も学校で話題になんかした覚えがない。

涼ちゃんのサインだとか言われるのが嫌でこの学校に来た事実を先生に説明をする。


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