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VERTEX
第29章 傍に居て…
一緒に暮らす部屋は3つ…。
1つは寝室でもう1つは涼ちゃんのトレーニングルームになる予定…。
後1つは小さな部屋らしいけど私が勉強とか出来る部屋にすればいいと笑う涼ちゃんに抱きついた。
「ありがとう…。」
私の為の完璧な王子様になろうと必死に頑張って来た涼ちゃんに感動する。
「あー…、なんか…、そういうの照れくさい…。」
赤い顔で涼ちゃんが私のお尻を撫でて来る。
凄いホテルの幅広いソファーで涼ちゃんが私を抱っこするようにして座っている。
「人がせっかく感謝してるのに、それっ!?」
「だって…、JKの理梨を抱けるのって最後だろ?」
「JKって言うな!」
「卒業をしたから、もうJD?」
私の頬に擦り寄るようにキスをして制服のスカートを捲り上げて来る。
中身はお馬鹿なままの犬男に呆れてしまう。
それでも涼ちゃんとキスをしながら2人で語る未来が楽しみで仕方がない。
「子供部屋とか…どうするの?」
「あのマンションはとりあえずの家…。VERTEXを辞めたら、本気で家を買う。」
「どんな家?」
「理梨の家族とうちの家族の皆んなが住める家。それがずっと夢だった。」
私の事以外の夢があったんだと笑っちゃう。
「おかしいか?」
「カッコいいよ…、涼ちゃん。ちゃんと自分の夢を叶えられる人ってカッコいいと思う。」
私がそう言うと泣きそうな顔を涼ちゃんがする。
「だって…、それが理梨の夢だからな。」
照れたように涼ちゃんが赤い顔で私を見る。
「私の?」
「本当は家族と離れたくないんだろ?」
涼ちゃんの言葉に驚いた。
いつも涼ちゃんが居た。
お父さんとお母さんが居てくれた。
その幸せがずっと続いて欲しいと願っていた。