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第30章 星に願いを…



未だに私は涼ちゃんに対して誰にも負けないカッコいい男を求めている。

ミケに負けないカッコいい人…。

だから涼ちゃんはミケと戦う。

そんな単純な事をお母さんに言われるまで気付きもしなかった。


「負けてもいいんだよね…。」

「理梨の気持ち次第よ。」

「泣き虫だった涼ちゃんも好きだよ。」

「要するに涼ちゃんだったら何でも良いんでしょ?」


お母さんがクスクスと笑う。

涼ちゃんだったら何でも良い…。

無理に私を甘やかそうとかしてくれなくていい。

辛いのを我慢して私に背中を向けて練習ばかりする涼ちゃんじゃなくていい。

勝っても負けても涼ちゃんは涼ちゃん…。

不意に気持ちが軽くなる。


「理梨の王子様が迎えに来たわよ。」


お母さんが冷やかすように私に言う。


「ミケとの戦いをしっかりと見て来るよ。」


逃げ出そうとしていた自分を追い払うように玄関で私を待つ涼ちゃんのところに行く。


「ごめんな…。」


私を見るなり涼ちゃんが寂しく笑う。


「なんで?」

「本当はミケさんとは戦って欲しくないんだろ?」

「うん…、でも涼ちゃんが勝つって信じてるよ。」

「本当に勝っていいのか?」


寂しい顔の涼ちゃんが私の頬を撫でて来る。


「負ける気なの?」


せっかく消えた不安がまた蘇って来る。


「だって、理梨はミケさんが好きだろ?」


涼ちゃんの言葉に固まってしまう。


「本当に理梨と望ちゃんはそっくりだな。」


涼ちゃんがふふふと笑って私の頬にキスをする。


「ミケなんか好きじゃないよ!」

「わかってる。ミケさんに対する気持ちは霧島さんに対する気持ちと同じだ。理梨は昔っから人見知りがあって俺と同じタイプの人にしか懐かないだろ?あの望ちゃんがミケさんには懐いてるって事は、やっぱり理梨もミケさんが好きだって事だ。だから俺がミケさんと戦うのが本当は嫌なんだよな。」


私の全てを理解している涼ちゃんが私の頭を撫でながら、ゆっくりと話をしてくれる。


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