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VERTEX
第30章 星に願いを…



「あくまでも練習試合だ。3分3Rのルールはシュートスタイル…。お互いが無茶をするようなら、すぐにでも試合を止めるからな。」


会長さんがジム中に響く声でリングの上に上がる。

レフリーは会長さん自らが務める。

ミケのセコンドに霧島さんが付いた。


「霧島さんが…?」


涼ちゃんのセコンドに付く篠原さんに確認をする。


「理梨ちゃんはどっちのセコンドに付く?」


糸のような目を細めた篠原さんが私に聞いて来た。


「当然、涼ちゃんです。」


私がそう答えた瞬間に私の頭にタオルが乗る。


「タオルは任せる。」


指にバンテージを巻きながら涼ちゃんが言う。

涼ちゃんが危険だと判断をすれば私に試合を止める権利を涼ちゃんがくれた。

ミケが私を見てニヤニヤと笑う。


「Mr.RYOJIが大切なら…、すぐにタオルを入れて下さいね。」

「悪いけど…、涼ちゃんが勝つわよ。」

「理梨には悪いけど…、手加減はしませんよ?」


涼ちゃんとは違ってミケはかなりの自信を持っているように見える。


「ここで本物のVERTEXの頂点が決まる…。楽しみですわ。」


咲良ちゃんはご機嫌だ。

咲良ちゃんにとって大事なのはあくまでもVERTEXの頂点というファイター…。

それはGグループの宣伝用の商品であり、ミケだろうと涼ちゃんだろうとどちらでも構わないという態度を見せて来る。


「VERTEXの頂点は…、霧島さんだ。」


何故か涼ちゃんがそこにこだわって呟いた。

その霧島さんはミケに負けて頂点を降りた。

なのに霧島さんは涼ちゃんを裏切るようにミケのセコンドに付いている。


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