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第4章 緊張する…



サンドイッチだけじゃ静香さんの食事に足りていないから、そっちが気になった時だった。

静香さんの携帯が鳴る。

誰かからのメッセージ…。

静香さんが笑う。


「何か羽織った方が良いみたい。」


そう言って静香さんがパジャマの上からカーディガンを羽織った。

私も静香さんが言う通りに自分のバッグからパーカーを取り出してパジャマの上から羽織る。

10分もするとホテルの部屋の扉がノックされて静香さんが扉を開けた。


「ルームサービスです。」


そこには爽やかに笑う霧島さんが居た。


「霧島さん!?ここに来ちゃいけないんじゃ!?」


そう叫ぶと霧島さんの後ろからひょっこりと私の犬が顔を出す。


「理梨!」


犬は叫ぶと私に尻尾を振って飛びついて来る。

さすがに顔は舐めては来ないがひたすら私の顔をベタベタと触り倒す。


「涼二がホテルの部屋を熊みたいウロウロとするから連れて来た。」


霧島さんが苦笑いをする。

差し入れにと焼き鳥とおにぎりをテイクアウトで持って来てくれた。

静香さんがご飯を食べれないかもしれないと霧島さんも心配だったのだとわかる。

本当なら少しでも静香さんと霧島さんを2人だけにしてあげたい。


「恭ちゃん、ありがとう。」


霧島さんが持って来たおにぎりを静香さんが食べてくれるだけでホッとする。


「こら!離れろ!」

「やだ!」


私は夜食どころかしがみつく涼ちゃんを引き剥がすのに大変な状況だった。


「会長に見つかる前に帰るぞ。」


僅か10分で霧島さんがそう言うから涼ちゃんが渋々と私から離れた。


「明日、負けたら許さない。」

「理梨の為だから誰にも絶対に負けない。」


私の頬にキスをした涼ちゃんが霧島さんに引き摺られるようにして帰った。


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